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臨床的には、瑞鳴を呈する子どもの場合、三歳くらいまでは、小児端息であるのか、瑞息性気管支炎であるのか鑑別しがたいことが多く、五歳をすぎればかなりの症例が典型的な瑞息症状を示すようになると考えられる。 では、成人、小児ともに気管支瑞息に悩む人は増えているのであろうか?その答えはイエスである。
従来は有症率一%前後との報告が多かったが、調査対象の選び方によって差はあるものの、一九六○年代後半より増加傾向が認められるといえよう。 そして、現在では成人での有症率は三〜四%程度と考えるのが妥当であろう。

あとから述べるように、この有症率には大気汚染を含む生活環境の変化が非常に大きく影響することは疑いのないところである。 この三%という有症率の根拠の一つとして、私の調査がある。
筆者が所属していたT大学物療内科では、有症率の実態を探るために一九八五年から一九八六年にかけて静岡県藤枝市において臨床疫学調査を行った。 対象は年齢一五歳以上の居住者一万二五六二名であり、アンケート調査を中心として施行したが、その結果、藤枝市における有症率は三・一四%であることが判明した。
そして、年代別解析の結果、男性では一○歳代(四・一八%)と高年齢層(六○歳代五・四二%、では、なぜこのように気管支瑞息に悩む人が増加したのであろうか?その理由として、大気汚染の問題や居住環境の変化、肉体的あるいは精神的ストレスの増大、食生活の欧米化や母乳栄養の減少などの要因が指摘されており、これらが絡みあって気管支瑞息有症率増加につながったと考えられる。 七○歳以上四・九八%)の二つのピークが、女性では二○歳代(二一・八三%)と高年齢層(七○歳以上四・七六%)の二つのピークが認められた。
また、男性全体の有症率は三・二七%、女性のそれは三・○一%であり、性比は一・一対一であった。 なお、瑞息症例の解析では、その六二一%、すなわち三人に二人は何らかのかたちで治療を受けていることも明らかとなった。
小児については、小・中学校あるいは幼稚園といった組織を基盤とした調査がなされており、成人に比べるとより明確にその実態が把握されているといえよう。 すなわち、有症率は一九六○年代には○・五〜○・七%前後の低値であったものが、一九七○年ころより大気汚染やその他の都市化要因の影響により増加の一途をたどった。


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